明治の文豪・夏目漱石が没後100年の今年、「復活」―。漱石が学んだ漢学塾を前身とする二松学舎大(東京都千代田区)と大阪大大学院基礎工学研究科が共同研究で製作した「漱石アンドロイド」が8日、都内で報道陣に公開された。教育現場で活用し、漱石の人物・文学研究などに活用する方針。
 マツコ・デラックスさんを模した「マツコロイド」などで知られる同研究科の石黒浩特別教授が製作を監修。旧千円札に描かれた45歳ごろの写真をモデルに、デスマスクを使って顔や体格を実物大で再現した。身長159センチの漱石に背格好が似ているという孫の夏目房之介・学習院大教授の協力で声を作り出した。首や両腕が稼働し表情も変えられ、主な動作をプログラムしてパソコンで遠隔操作する。
 石黒教授は「デスマスクは死ぬ直前で肉がそぎ落とされていて、千円札の健康なイメージとは違う。お札の顔を違う角度から見ることもできず、難しかった」と製作過程を振り返った。