愛媛大大学院医学系研究科の三宅吉博教授らの共同研究チームはこのほど、妊娠中の牛乳摂取が産後うつ症状の予防効果があると示唆する研究成果を米学術誌に発表した。三宅教授によると、牛乳の摂取と産後うつに関連性が認められたのは初めて。
 三宅教授と琉球大などのチームは2007年から、九州・沖縄の母子を対象に食事などの栄養情報の追跡調査を実施。妊娠中、出産時、産後3~4カ月の母親1319人の牛乳摂取データを分析した。
 8.2%に産後うつがあったが、妊娠中の牛乳摂取量で分類した4群のうち、2番目に少なかった群と最も多かった群で、最も少ない群より発症のリスクがそれぞれ52%と49%低かったという。
 三宅教授によると、ヨーグルトやチーズでは効果が認められず、牛乳に多く含まれるカルシウムも関連はみられなかったという。
 三宅教授は「効果を真に確認するにはさらなる研究が必要だが、産後うつになる女性が多い中、社会的なサポートだけでなく身近な食べ物との関連が示されたのは有用な結果だろう」としている。