「天下統一」の野望を抱く平成の信長がこのほど、愛媛入りした。戦国武将さながらのいでたちで、ギターを背に馬と名付けた自転車で県内を巡りながら、各地でライブを披露。目指すは全47都道府県のテーマ曲と地図を利用した信長イラストの制作だ。
 一風変わった手法で全国制覇の旅を続けているのは天歌布武(てんかふぶ)信長さん(30)=芸名、東京。以前から周囲に「顔が織田信長そっくり」と言われており、7年前に「信長になっちまえよ!」との言葉に触発され、髪とひげを伸ばし武将着などのスタイルを確立した。
 そのうち特技の音楽と美術を生かした「天下統一」を思い立つ。自転車で全国行脚し、名所や文化、出会いを盛り込んだ各県のテーマソングを作りギターで披露するという趣向だ。しかし「それだけで天下統一と呼べるか」と自問。考案したのがスマートフォンの衛星利用測位システム(GPS)を活用したデジタルアート。実際に通る道路を線で結び、地図上に信長の似顔絵を描く技法だ。
 旅は2012年に始まり、群馬、香川など6県を制覇。愛媛には松山市三津浜地区で8月31日まで開かれている芸術イベント「わくわく三津浜」に合わせて来県。愛媛のイラスト図案も作成し、県内の旅を始めた。道中はホームページ「信長の天下統一プロジェクト」で随時、発信予定。