9月までの1年間で医学生らの解剖実習や病理解剖に遺体を提供した91人を追悼する解剖体慰霊祭が30日、愛媛県東温市志津川の愛媛大医学部であり、遺族のほか学生と教職員、献体希望者でつくる「白菊会」の会員ら約800人が哀悼と感謝をささげた。
 白菊で埋まった祭壇を前に献体者一人一人の名前が読み上げられ、全員が黙とうした。満田憲昭医学部長は「医学生にとって、ご遺体に触れることは医師となるため欠くべからざる最初の関門。人間の尊厳を知り、医師として人々のため尽くすことを誓う」と意義を強調し「その体験と感動を通し、ご遺体は私たちの心の中で生涯の恩師として生き続ける」と述べた。