愛媛県の松山地方の秋祭りが開幕した5日夜、松山市上野町の大宮八幡神社で、地元の一木地区の住民が伝統の獅子舞を奉納した。闇夜に浮かぶ拝殿で老若男女が演じる力強い舞に、地域の人たちが見入った。
 住民有志でつくる「一木獅子舞保存会」によると、一木の獅子舞は最低でも100年の歴史があり、1955年ごろに一時途絶えたものの80年に復活。以来、毎年披露している。
 本番に向け、保存会メンバーや地元の園児、小中学生が9月上旬から練習を重ねた。5日午後8時ごろ、小学生が演じる「子ども獅子」が始まり、境内で膝をつき合わせて見守った住民は、子どもたちの勇姿に盛んな拍手を送った。
 大きな動きで魅了する「大人獅子」では、小学生らが太鼓のリズムに乗って体を揺らしたり、迫力に思わずのけぞったりして楽しんでいた。