熊本県などで続く地震の被災地に初めて派遣された愛媛県の災害派遣精神医療チーム(DPAT)の活動報告会が9日、県庁であった。参加した医師は「災害発生初期の医療対応は落ち着いてきているが、精神科医療へのニーズは存在する」と強調した。
 DPATは精神科医や保健師らで構成し、大規模な災害や事故の発生時、被災地で精神保健医療の支援や心的外傷後ストレス障害(PTSD)への対応などに当たる。県は4月22日に4人を第1班として派遣し、熊本県嘉島町の避難所を巡回するなどした。29日からは第2班が美里町で訪問診療などを行った。
 第1班の精神科医で県心と体の健康センター(松山市)の戒能徳樹医監は「被災した精神科医療機関は機能を回復しつつあるが、避難所などで慣れない生活を送っている住民のストレスは想像以上。引き続き心のケア支援は最優先事項の一つ」と分析。倒壊の恐れがある精神科病院から数百人の患者が搬送されたとし「愛媛で同様の事態が起きた際の対応を検討する必要がある」と指摘した。