愛媛県災害医療対策協議会が10月31日夜、県庁であった。四国電力伊方原発での重大事故に備え、原子力災害医療体制を強化する見直し案を了承した。県は原子力災害拠点病院に4病院を指定、被災者の放射性物質の汚染測定などを行う原子力災害医療協力機関に10病院7団体を登録する方針。
 東京電力福島第1原発事故を受けて2015年8月に改定された国の原子力災害対策指針を踏まえ、初期・2次被ばく医療機関の計4病院から体制を強化。大規模な複合災害を見据え、県の災害医療体制をベースに緊急被ばく医療にも対応するとしている。
 原子力災害拠点病院は、初期被ばく医療機関の市立八幡浜総合病院に2次被ばく医療機関の県立中央、松山赤十字、愛媛大医学部附属の3病院を加えた計4病院を指定。被ばく医療の専門的知識や技能を持つ医師を配置し傷病者に対し放射線量の測定や除染処置、集中治療などを行う。
 原子力災害医療協力機関は災害拠点4病院と公立6病院のほか、県医師会や県診療放射線技師会など7団体を登録。被ばく傷病者の初期診療や安定ヨウ素剤の配布支援など7項目のうち1項目以上を実施できる必要があるとした。
 県は17年1月に拠点病院を指定し、協力機関を登録する予定。現在は11人の県緊急被ばく医療アドバイザーなど、原子力災害に対応できる人材の育成を進めたいとしている。さらに原子力災害医療調整官を設置し県災害医療対策部長(県立中央病院災害医療センター長)を任命する。