国内外のトップアーティストに愛用者がいる大阪市の高級ドラムメーカー「サカエリズム楽器」が、久万高原町など愛媛県産のヒノキを使ったスネアドラムを開発した。1月に海外で受注を始めたところ、欧米を中心に予想を上回る注文が集まり、一時中断するほどの人気ぶり。9月には国内でも発売予定で、県産材の新たな活用策として注目を集めそうだ。
 スネアドラムは直径約30センチで、ドラムセットで最も使用頻度が高い。メープル(カエデ)が主材料で、サカエリズム社長の中田栄蔵さん(49)の話では、ヒノキやスギの使用は「聞いたことがない」。
 県産材ドラムの開発が持ち上がったのは1年半ほど前。久万高原町菅生の久万造林社長の井部健太郎さん(47)が、定期的に参加していた勉強会で知り合った中田さんに自社の将来について話したのがきっかけとなった。