宇和島藩の開藩400年を祝う「宇和島伊達400年祭」が11月に閉幕した愛媛県宇和島市で、伊達家にまつわる新たなプロジェクトが進んでいる。藩の礎を築いた初代藩主伊達秀宗の肖像画の制作で、在りし日の雄姿を想像し、現代によみがえらせようというユニークな試みだ。
 伊達家に関する史料を管理する宇和島伊達文化保存会によると、秀宗の肖像画は確認されておらず、1945年の宇和島空襲で焼失したと考えられる。
 プロジェクトは、市民や観光客らに秀宗の功績を知るきっかけにしてもらおうと、市立伊達博物館が企画した。ポイントとなるのは顔や表情だ。秀宗の顔立ちを伝える史料はなく、写真が残る7~9代藩主や宇和島伊達家現当主の伊達宗信さん、遺骨を基に復元された政宗の容貌像が数少ない手がかり。
 下描き、写し、本描き、着彩―。手間暇のかかる工程に加え、装束や甲冑の模様など史料に基づき細部にまでこだわるつもりで、完成は2016年3月末ごろをみる。