愛媛県内の臓器移植者らでつくる「えひめ移植者の会」の総会が5日、松山市若草町の市総合福祉センターであり、市立宇和島病院名誉院長の近藤俊文氏(83)が腎臓移植の歴史や現状などについて講演した。
 会員ら約20人が出席。近藤氏は、日本は欧米と比べて腎不全患者や透析患者が多い半面、移植の数が極めて少ないと指摘。移植をめぐる最近の情勢として、米国の臓器移植ネットワークが病気腎を含む治療摘出臓器の移植に取り組み始めたことを報告、国内では病気腎移植が厚生労働省から先進医療に指定されるかにも注目しているとした。
 一方、日本では移植医療への不信感や脳死を認める社会的なコンセンサスが不十分だったことなどから、脳死や移植が否定的に捉えられていると説明。「患者団体としては会員制交流サイト(SNS)などを活用して大きな声を上げるべきだ」と訴えた。