南海トラフを震源とするマグニチュード9の巨大地震に対応する松山市総合防災訓練が5日、愛媛県松山市西垣生町の帝人松山事業所グラウンドであり、関係機関や市民約1500人が救助や避難練習を通して防災意識を高めた。
 1992年から毎年実施。今回は垣生、味生、生石、余土の4地区で家屋倒壊による人的被害が多数発生したとの想定で、各地区の自主防災組織が子どもも一緒にバケツリレーで初期消火した。防災士らは「誰かいますか」「大丈夫ですか」と声を出しながら周辺のがれきを撤去し、けがで動けなくなった人を担架で運び応急手当てをした。
 熊本地震を教訓に障害者や女性に配慮した避難所運営の研修もあり、参加者は段ボールを組み立てたベッドや間仕切りの設営を市職員から学んでいた。
 余土地区自主防災組織の防災士藤本建一さん(75)は「初期行動が最も大切で、訓練を機会あるごとに重ねなくてはならない」と気を引き締めていた。