縄文と弥生の土器など出土 椿の湯別館予定地
愛媛県の松山市埋蔵文化財センターは15日、同市道後湯之町の道後湯之町遺跡で縄文時代後期―弥生時代中期の土坑や土器などが見つかったと発表した。センターは「道後地区では縄文と弥生の遺構がセットで見つかることは珍しく、地区の指標となる遺跡として評価できる基礎データが得られた」としている。
調査区域は、市が2017年の愛媛国体までの完成を目指す「椿の湯別館」の建設予定地の約410平方メートル。事前の試掘調査で弥生時代の土器などが見つかり、4月に本調査に着手した。
土坑は25基を確認。性格不明なものも含め40基以上の遺構が検出された。このうち、縄文時代後期(約4000年前)の土坑からは、石器を作る際に出る石くずが見つかった。加工品である石鏃(せきぞく)やサヌカイトの打製石器も出土し、土坑近くには作業用に使用されたとみられる台石も見つかった。住居跡は検出されていないが、当時の人々の生活領域であったと考えられる。
現地説明会は18日午前10時半、午後1時半から。小雨決行。駐車場なし。問い合わせは同センター=電話089(923)6363。