愛媛県内の観光産業の中核を担う人材を育成しようと、愛媛大地域創成研究センター(松山市)などが学生や社会人を対象とした観光講座を開いている。観光分野の経営者や専門家が講師を務め、現場の実態を学びながら企画力などを磨いてもらうのが狙いだ。
 講座は、経済産業省の「産学連携サービス経営人材育成事業」に選ばれ、2015年10月に開講し、今月下旬まで計6回開く予定。受講者は約25人で大半は社会人だ。ホテルや旅行代理店の従業員、1次産業従事者など多岐にわたる。
 テーマは道後温泉の歴史や旅館経営、国際観光情勢など。内子町への視察もあった。センターでは多くの県外者を迎える17年の愛媛国体や訪日客の増加などを受け、観光分野が地域経済に与える影響はますます強くなるとみる。共催する産官学連携観光産業振興協議会の鈴木茂専務理事(松山大経済学部教授)は「住民との交流や地域資源を生かし、観光サービス業を基幹産業に押し上げていける人材をつくりたい」と意気込む。16年度は年間開講を目指し、講座の充実を図っていきたいとしている。