愛媛県八幡浜市矢野神山の八幡神社(清家貞宏宮司)で19日、春季大祭があった。日本の伝統音楽の雅楽に合わせて舞い踊る「舞楽(ぶがく)」が奉納され、氏子らが東日本大震災と熊本地震からの復興や、地域の平穏を祈った。
 舞楽の奉納は清家宮司の長男で禰宜(ねぎ)の貞文さん(42)が2006年に始めた。神事で奉納するのは四国では八幡神社だけとされる。
 演目は将軍がどう猛な形相の面を着けて兵士を鼓舞し、大勝に導いたという中国の故事に由来する「蘭陵王(らんりょうおう)」。貞文さんが竜の面や朱色の装束を身に着けて荘厳な雅楽に合わせた力強い舞を披露すると、参列した氏子から拍手が上がった。