苦しみ私たちで最後に、福島・元大熊町議講演 八幡浜
東京電力福島第1原発が立地する福島県大熊町の元町議木幡仁さん(64)の講演会が11日夜、愛媛県八幡浜市内であった。避難生活を続けている事故後の約5年間を振り返り「原発で放射能漏れが起きると取り返しが付かない。苦しむのは私どもで最後にしてほしい」と原発事故の再発防止を訴えた。
町議を務める傍ら農業も営んでいた木幡さん。事故直後に町を離れ、町が役場機能を移した約100キロ西の会津若松市にある仮設住宅で避難生活を続けている。
1971年に福島第1原発が運転を開始してから、出稼ぎで生計を立てる家庭が多かった地域が潤ったとしながらも「事故が起きるまでのわずかな期間だった」と指摘。事故後の東電による田畑への賠償などが住民の希望額とかけ離れている現状を説明した。
3号機の再稼働手続きが進む伊方原発(伊方町)については「稼働を阻止してもらいたい」とし、脱原発を望んだ。