薬1種類治療の勧め 愛媛大など講習へ
複数の薬を用いる多剤投与が問題となっている統合失調症やうつ病などの治療で、1種類の薬による単剤治療を推奨するガイドラインを普及させようと、愛媛大医学部(愛媛県東温市志津川)などの全国約20施設が精神科医を対象とした講習を始める。同学部精神神経科学講座の伊賀淳一准教授は「より適切な治療が広まる契機になれば」と効果に期待する。
伊賀准教授によると、統合失調症やうつ病などの治療では多剤併用のほか、大量処方も問題となっている。副作用の減少やエビデンス(証拠)に基づく治療には単剤が望ましいが、2010年の精神科臨床薬学研究会の実態調査では、統合失調症で抗精神病薬の多剤併用率は65%程度。減少傾向だが依然高水準で、医師によって治療法にばらつきが大きいのが現状という。