愛媛県松前町のJR北伊予駅自由通路整備事業の予算(8690万円)を6月定例会で認めなかった町議会は23日、臨時会を開き、事業を調査する特別委員会の設置を決めた。審議直前に三好勝利議長が北伊予駅周辺を地元とする2議員を地方自治法に基づくものとして除斥し、反発した5議員が採決で退席するなど異例の経緯をたどった。
 除斥について三好議長は、議事に直接の利害関係を及ぼす議員は議事に参与できないとする同法117条を根拠として議長の権限で行ったと説明。議員らによると、三好議長は議会運営委員会で、駅周辺の住民でつくる実行委員会が2012年、通路整備を求めて町に提出した要望書の中に相談役として2氏の名前が記載されていることを問題視したという。
 除斥された伊賀上明治氏(無所属)は「地元の要望を知っておく必要もあり、オブザーバー的な役割だったにすぎない。議長の権限の乱用だ」、松本一二美氏(公明)も「除斥に該当する理由はなく、納得できない」としている。