近年、宇和海沿岸で深刻な漁業被害をもたらしている赤潮対策について学ぶ愛媛県の愛南町水産セミナー(町など主催)が24日、同町御荘平城の御荘文化センターであった。赤潮の発生メカニズム解明や予測技術の確立に取り組む愛媛大南予水産研究センターの准教授2人が研究成果を報告した。
 町内の水産関係者ら約100人が出席。清水園子准教授(39)は赤潮の原因プランクトン「カレニア・ミキモトイ」の発生パターンや増殖について報告した。冬季に周防灘や豊後水道周辺で多く分布した年は「夏に宇和海で大規模な赤潮が発生する傾向がある」と説明。5~7月ごろ、天候不順で日照量が少ないとその後、プランクトンが増殖しやすいため警戒が必要と指摘した。
 太田耕平准教授(41)はカレニア・ミキモトイの密度が濃い状況下での養殖魚への給餌試験について説明し、餌をやり続けたブリの幼魚に比べ、餌止めした個体の方が長時間生存したと報告。生存した個体も、えらの上皮細胞に崩壊が見られたため、細胞が回復するまでの1~2週間は給餌を慎重にするよう促した。