環太平洋連携協定(TPP)交渉の大筋合意を受け、農林水産省は21日、四国地区を対象にコメや麦など水田・畑作関係品目の地方説明会を高松市で開いた。生産者らからは、食料自給の重要性などに関し「霞が関と農家の間には考え方に相当な開きがある」との懸念や、詳細な説明を求める声が上がった。
 畜産、園芸に続く3回目で、愛媛など四国の自治体やJAの関係者、生産者ら約120人が参加。コメについて毎年77万トンのミニマムアクセス(最低輸入量)に加え、米国産とオーストラリア産を無関税で輸入する枠を新設し段階的に計7万8400トンまで広げるとする合意内容を農水省担当者が報告した。
 「スーパーで外国産米が国産米と同じ棚に並ぶことになれば価格に影響する」と米価下落を心配する声に対し、担当者は輸入増に相当する国産米を政府備蓄米として買い入れることで流通量を抑える方針を強調した。
 参加者は「農家にとって一大事。もっときめ細かく説明してほしい」と県単位での開催を要望したほか、「農家は不安でいっぱいだ」として早期の影響度試算公表やTPP対策を求めていた。