農林水産業者の技術改善や経営発展の意欲を高める2016年度「農林水産祭」のむらづくり部門で、地域協同組合「無茶々園」(愛媛県西予市、宇都宮俊文理事長)が最高賞の天皇杯を受賞することが19日、決まった。県によると、県内での天皇杯受賞は、1996年度園芸部門のJA西宇和川上共選(八幡浜市)以来。
 農林水産祭は農林水産省などが62年から実施。過去1年間のコンクールなどで農林水産大臣賞を受けた509点の中から、農産や園芸、畜産など7部門で天皇杯、内閣総理大臣賞、日本農林漁業振興会長賞の3賞を選んだ。
 農水省や県によると、無茶々園は74年、農薬や化学肥料を前提とした近代農業に疑問を抱いた若者3人が15アールの農地でイヨカンの有機栽培を開始。販路や仲間の拡大に努め、2015年の農業産出額は8億円を超えた。近年、介護事業への参入や段々畑を活用した観光事業に取り組むなど活動の幅を広げている。
 40年以上にわたり「食の安全・安心」を実践しているほか、農業以外の活動が条件不利地でのむらづくりの模範となっている点などが評価されたという。
 表彰式は11月23日、東京での農林水産祭式典で行われる。