四国4県などでつくる四国遍路日本遺産協議会主催の「四国遍路展」が2日、東京・有楽町の東京交通会館で始まった。遍路の歴史を示す資料や外国人が残した文献、四季折々の写真などで遍路の魅力を広く紹介している。8日まで。
 江戸時代に遍路をする民衆が関所を通行する際などに使った往来手形や、1687年に刊行された最古の遍路案内記「四国辺路道指南」など58点が並ぶ。英語の解説文もある。
 「外国人が見た遍路」コーナーには、1917、21両年に西洋人として初めて遍路をしたとの記録が残る米シカゴ大のフレデリック・スタール教授に関する資料も。資料を所蔵する徳島大のモートン常慈准教授は「国籍や宗教などにとらわれない平等の世界が遍路の魅力」と語る。
 2015年度四国遍路「巡礼の旅」フォトコンテストの入賞作品30点も展示し、四季に彩られた遍路道の美しい風景を伝えている。
 展示を監修した鳴門教育大の大石雅章副学長は「救済を求める多くの人が全国から集まった歴史が分かる。お接待の文化も知ってほしい」と話している。