「四国小・中学校道徳教育研究大会」が10日、愛媛県松山市で始まり、教員らが公開授業などを通して子どもの道徳観を育むための工夫を探った。11日まで。
 県内外から約700人が参加。小学校は全国大会を兼ねて開催した。
 公開授業で松山市潮見小学校の3年生は、校区の団地に住む幼稚園児が盲目の子犬を助けた実話を基に命の大切さについて考えた。団地は犬を飼えないルールだと反対されても子どもたちはひそかに世話を続け、見守る大人の心を動かしたというあらすじ。
 世話を続けた理由に関し児童らは「ルールよりも命が大事」「子犬も人間と同じように生きている」などと発表し「動物や植物には一つ一つ命がある」と学びを深めていた。
 授業後、担任の志賀千将教諭は児童に資料を配らず耳で聞かせた理由を「文字だと国語的な心情の読み取りになってしまう」と教員らに説明。北海道から参加した福田由美子教諭は「道徳が教科化されても教科書では埋められない地域独自の授業を進めるのにぴったりの教材」と話した。