家族総出でミカンを収穫する農家に代わって夕食のおかずを届けるJA西宇和(八幡浜市)の恒例事業「共同炊事」が10日、始まった。早生(わせ)温州ミカンの出荷が落ち着く12月19日までの40日間、申し込みがあった231戸計700食分を毎日提供する。
 全国有数のミカンどころ、八幡浜市のミカン農家はこの時期、日中は収穫、夕方以降は果実の選別で大忙し。共同炊事は、家事労働の負担を軽減しようと1983年に向灘地区で始まり、旧八幡浜市内全域に広がっている。
 調理場がある矢野崎支店(北浜1丁目)では、JAの女性職員ら13人が午前8時半から、初日の献立の鶏唐揚げと干し大根のサラダの調理を開始。大きな鍋で味付けするなど手際よく仕上げ、農家の名前や地区名が書かれたプラスチック容器に盛りつけていった。
 今年はチキンソテーやサバのおろし煮など8品の新メニューを追加し、1食480円で提供する。献立を考え調理にも当たるJAの生活指導員(59)は「多くの食材を使って栄養バランスの取れた食事を提供し、農家を支援したい」と話していた。