長野ヒデ子さん、千葉で「原画展」 色鮮やか絵本の2作品
愛媛県今治市出身の絵本作家長野ヒデ子さん(75)=神奈川県鎌倉市=の原画展が、千葉県柏市の児童書店「ハックルベリー ブックス」で開かれている。色鉛筆で描かれた2作品の原画21点が並び、来場者を温かな気持ちにしている。10月1日まで(水曜定休)。
長野さんは1978年にデビュー作「とうさんかあさん」が日本の絵本賞文部大臣奨励賞に輝いたのを皮切りに、さまざまな賞を受賞。精力的に創作に取り組む一方、絵本の読み聞かせ会や紙芝居の普及など幅広い分野で活動している。
会場には、幼少時に学校へ行けず66歳から識字学級に通い始めた実在の女性が、前向きに文字を学ぶ様子や女性の人生を温かなまなざしで描いた「ひらがなにっき」の原画を展示。識字学級を紹介する写真も添えた。「社会にとって子どもは宝」との思いから、祖母と孫の楽しい日常を切り取った「おばあちゃんがおばあちゃんになった日」の原画もある。
長野さんは「文字の獲得は人権の獲得。字や言葉の大切さも感じてほしい」と話している。