南海トラフ巨大地震に備えて防災力の向上を図ろうと、愛媛県八幡浜市真網代の真穴小学校と、隣接する真穴中学校の児童生徒や教員計約100人が13日、大津波を想定した避難訓練を実施し、いち早くより安全な場所に避難する手順を確認した。
 県南予地方局が宇和海に面した5市町で行う「南予津波避難行動促進事業」の一環。訓練は、震度7の地震で宇和海沿岸に大津波警報が発表され、約1時間後に津波が到達する想定でスタートした。
 両校は、想定される9メートル前後の津波高より高い海抜11メートルに位置するが、より安全を確保するため学校裏山の海抜約30メートル地点を目指した。防災頭巾やヘルメットをかぶって運動場に集合した児童生徒は、2ルートに分かれて裏山に向かい、中学生は「率先避難者」となって小学生の手を引くなど誘導した。
 避難は約15分で完了。真穴小3年の男子児童(8)は「中学生のサポートで細い道もきちんと避難できた」と振り返り、真穴中3年の男子生徒は「実際に津波が来ても自分の命を守るとともに弱者の避難を支えたい」と話していた。