県勢の活躍光る―。全国工業高等学校長協会(東京)が11月に北海道で開いた第16回高校生ものづくりコンテスト全国大会で、愛媛県の東予高校機械科3年の高橋真也さん(18)が旋盤作業部門で優勝した。松山工業高校情報電子科3年の北本悠真さん(18)が電子回路組み立て部門で2位。吉田高校機械建築工学科2年の上岡豊科さん(16)が木材加工部門で3位入賞を果たした。
【旋盤作業 練習重ねV 東予高 高橋さん】
 高橋さんは1年生のときに機械部に入り、旋盤の技術を磨いてきた。8月の若年者ものづくり競技大会(旋盤職種)優勝に続く快挙に「仲間と頑張ってきたので成果が出せてよかった」と笑顔を見せる。
 旋盤作業部門は、直径6センチの3種類の金属柱を高速回転させた刃で削ったりドリルで穴を開けたりし、ぴったり組み立て可能な課題を100分の1ミリ単位の精度で2時間以内に製作。規定寸法との誤差や作業の安全性などが審査された。
 既に部活は引退したが、「卒業までに学んだことをしっかりと後輩に伝えていきたい」と力説。関西の製鉄・製鋼会社への就職も決まり、「いろいろな技術を身に付けたい」と前を見据える。
【電子回路 雪辱果たす 松山工高 北本さん】
 2年連続で全国大会に出場した北本さん。入賞を逃した昨年の雪辱を果たし「高校生活で誇れるものが残せた」と胸を張った。
 電子回路組み立て部門は、2時間半以内に回路図を設計し、スイッチなどの部品を基板にハンダ付けして電子回路を製作。発光ダイオード(LED)の表示などを制御するプログラムを作り、指示通り作動させられるか競った。
 8月には若年者ものづくり競技大会で優勝し、指導する山岸貴弘教諭(41)も「日本を代表する技術者になる」と太鼓判を押す。卒業後は企業で腕を磨き「世界大会につながる技能五輪全国大会に出場したい」と目を輝かせる。
【木材加工 細部丁寧に 吉田高上岡さん】
 上岡さんは6月に香川県坂出市で開かれた四国大会で初出場ながらも優勝し、全国大会の出場権を得た。11月の大会当日までほぼ毎日、木材を切る際の目印になる「墨付け」の技術向上に努めたり、ペース配分を覚えるため時間を計りながら作業したりし、本番を想定した練習を重ねた。
 コンテストでは、2時間半の制限時間で縦約40センチ、横約90センチ、奥行き約30センチの住宅屋根の一部分の製作に挑戦。序盤に墨付けで失敗したが、材木の切断部分をきれいな直角にするなど、細部を丁寧に仕上げ修正した。
 上岡さんは「ミスした部分を反復練習で克服し、最終学年となる来年度は優勝を目指したい」と決意を語った。