愛媛県の鬼北町泉地区に17世紀から伝わる手すき和紙「泉貨紙」の製作が本格化している。同町小倉の作業場では鬼北泉貨紙保存会長の平野邦彦さん(54)が冷たい水と闘いながら、一枚一枚丁寧に作り上げている。
 コウゾを原料とする泉貨紙は、2枚の紙を張り合わせ、厚手で丈夫なことが特長。西予市野村町で開発され同地区に伝わった。1969年に一度途絶えたが、85年に保存会を結成し復活。昨年会員が減り、現在は平野さんら7人が引き継いでいる。