四国電力の佐伯勇人社長は30日、運転停止中の伊方原発2号機(伊方町)を再稼働させる場合、「運転期間の20年延長が前提とならざるを得ない」と述べ、法定の40年を超える期間で経済性などを精査し判断する考えを示した。
 2号機は1982年3月に運転開始。東日本大震災後の2012年1月に定期検査に入り停止している。
 佐伯社長は高松市の本店で会見し、国の原子力規制委員会による新規制基準の審査や安全対策工事の期間を考慮すると「限りなく40年に近いところでの再稼働になる」と説明。「(新規制基準で)原子力の安全性が相当高まった。安全性と経済性が確保できるのであれば2号機を有効活用していきたい」と話した。
 原発の運転期間は、東京電力福島第1原発事故後に改正された原子炉等規制法で原則40年に制限。規制委が認可した場合のみ最長20年延長して稼働できる。
 伊方原発を巡っては周辺市町の首長らから原則40年の厳守を求める意見が出ている。佐伯社長は「意見は尊重しなければならない」と述べる一方、関西電力高浜1、2号機(福井県)の運転延長が認可されたことを踏まえ「法律上認められている」として規制委の審査合格を条件に理解を求める意向を示した。
 政府が高速増殖炉もんじゅ(福井県)について廃炉を前提に抜本的に見直す方針を決めたことについては「資源のない国で核燃料サイクルは重要で国の方針でもある。それに沿って検討が進められると思うので注視したい」と話した。