鎌倉時代に鋳造された鐘の音を聴きながら年越しはいかが?愛媛県西条市丹原町古田の西山興隆寺は27日、国指定重要文化財(重文)の銅鐘を26年ぶりに境内の鐘楼堂につるした。31日午後11時半から、参拝者先着108人に突いてもらう予定。荒井浩忍住職(63)は「大切な寺の宝なので、心を込めて優しく突いてほしい」と話している。
 鐘は高さ約112センチ、口径約68センチ。1286年に河内国(現在の大阪府)の鋳物師(いもじ)によって造られた。
 興隆寺の近くに住む先々代住職の大沢自聚さん(92)によると、寺が所蔵する文化財を末永く保存するため、1987年に宝物館を建立。重文の鐘は88年に新しい鐘と取り換え、宝物館につり下げて展示していた。