選挙権年齢が18歳以上に引き下げられた10日投開票の参院選。安保政策や女性と若者への支援、防災対策など、新有権者の疑問に当選者はどう答えるのか。愛媛大法文学部1年の安永あゆ花さん(19)が11日、松山市大手町1丁目の愛媛新聞社で愛媛選挙区で3選された自民党現職の山本順三氏(61)にインタビューした。
 「『18歳選挙権』で選挙運動に変化は?」「ガラケーをスマートフォンに変え、娘に教わりながら若者に向けて情報発信した」
 にこやかで和やかなムードで始まった対談。主権者教育に取り組む同市のNPO法人「ネクストコネクション」のメンバーとして活動している安永さんは率直に、山本氏に問い掛けた。「安全保障体制について、少し不安に思っています。どんな備えを考えていますか」
 山本氏は、安全保障関連法案の国会審議に対する批判を口にし「『戦争法案』などと言われたが、全く違う」と強調。平和外交の徹底、抑止力強化の両面での対応が必要で「憲法9条があるから大丈夫だとは思わない。米国としっかり手を結んで、中国が攻めてこないようにするという考え方が大きなポイント」と、丁寧に説明した。
 「公約に『若者や女性の能力開発支援』とあったのですが」。19歳の女性として着目したテーマを尋ねた安永さん。山本氏は保育士や介護施設職員の待遇改善に加え、給付型奨学金を挙げ「税金で対応するのでハードルは高いが、若者が輝ける社会をつくる」と誓った。
 四国電力伊方原発(伊方町)などの再稼働の是非には「本当に難しい」と吐露した山本氏。安永さんが真っすぐ見つめる中、「二酸化炭素を排出する発電方法だと地球温暖化が進み、自然災害を引き起こす。それを原発の安全性とどう調整するか。われわれは安全をよく確認して再稼働も致し方ないという気持ちだが、皆さんもしっかり考えてもらいたい」と語り掛けた。