スマのラーメン 宇和島水産高生が挑戦 プロも協力、来月お披露目
「伊予の媛貴海(ひめたかみ)」のブランド名が付いた県の新養殖魚「スマ」を使った創作ラーメン作りに宇和島水産高校(宇和島市明倫町1丁目)水産食品科の3年生3人が取り組んでいる。「(食材に)スマがいる」と「食べた人を笑顔に」という二つの意味を込めて「スマイルラーメン」と名付け、製品化を目指して味の追求を続けている。
3人は3月に愛南町内の飲食店で販売が始まったスマのあらが廃棄されていると聞き、地域の水産業の活性化や食材の有効活用策としてスマのラーメンを思い立った。
5月から毎週1回、同町でスマを提供している4店舗から、あらを分けてもらい研究に着手。スープはスマのあらで取っただしに塩だれを合わせるなど、徐々に形は見えてきたが「魚の生臭さが消せない」という壁に突き当たった。
悩む生徒らに救いの手を差し伸べ、改善方法を伝授したのはスマ提供店の一つ「黒潮海閤」(愛南町蓮乗寺)の店主宇佐譲二さん(59)。19日に宇佐さんの店を訪れた3人は、生臭さを消すため「塩をまぶして水分を飛ばし、湯引きする」「焦げ目が付くまで素焼きする」ことなどを教わり、3種類のスープを試作。岡本さんは「プロの工夫はすごい。光が見えてきた」と笑顔をみせた。
3人で試飲し、スープの味を決定。「あっさりしていて女性にも受けると思う」とにっこり。
スマイルラーメンは11月12日に西予市の県歴史文化博物館である「高校生食育ふるさと料理マルシェ」がお披露目の場になる予定。小西さんは「スープにもっとスマの味が出るよう工夫を重ねて将来、南予の飲食店で使ってもらえる一杯にしたい」と抱負を語った。