愛媛県西条市出身のテノール歌手秋川雅史さんのヒット曲にちなみ、亡くなった大切な人に宛てた「千の風になったあなたへ贈る手紙」(西条市など主催)の入賞15作品が6日発表され、大賞に群馬県館林市の福田好子さん(50)の「天国の父へ」が選ばれた。
 募集は3回目。今回は3~6月に募集し、国内外の7~94歳から前回2013年を上回る1445通が寄せられた。10月末に「千の風になって」の訳詞・作曲者新井満さんや秋川さんら7人が最終選考した。
 大賞作品は、障害がある父を恥ずかしく思い冷たい言葉をかけたこともあった福田さんが、誰に対しても気さくで明るかった父への感謝をつづった。西条市と共催し、最終審査もした市民グループ「『千の風』手紙プロジェクト」の越智将文委員長は「(大賞作品は)読むと情景を思い浮かべられ、ドラマがあった」と講評した。
 6日は同市大町の西条図書館で表彰作品の発表があり、西条朗読奉仕会の鈴木光子会長が大賞作品を情緒豊かに読み上げた。17年3月25日に市総合文化会館(神拝)で表彰式典を行い、4月ごろに作品集を発刊する予定。