愛媛県宇和島市から鬼北町下鍵山の武左衛門広場までの約40キロを歩くイベント「武左衛門一揆の道」が30日あった。小学生から60代の約80人が、江戸時代、地元の農民のために立ち上がった武左衛門に思いをはせて一揆の道をたどった。
 武左衛門は1793年、吉田藩の圧政などに苦しんでいた農民を救おうと、約9600人を率い一揆を決行。藩に年貢の引き下げなどを認めさせたが、一揆を主導したとして打ち首になった。イベントは一揆で使われた道を歩くことで先人の精神を感じてもらおうと、同町日吉地域のまちづくりグループ「日吉一希を起こす会」(林健二会長)が4年ぶりに実施した。
 参加者は、農民が集結したとされる宇和島市伊吹町の八幡河原で「エイエイオー」と気勢を上げた後、午前7時半ごろ鬼北方面へ出発。一揆ゆかりの史跡なども回り、それぞれのペースで歩を進めた。中には当時の農民姿に扮(ふん)して歩く人もいた。
 日吉小学校6年の男子児童(12)は「坂道がきつかったけど、みんなで楽しく歩けた」と話していた。