児童虐待の対応訓練が10月31日、松前町西古泉の愛媛県警察学校であり、県警や県福祉総合支援センターの計34人が、連携しながら迅速に子どもを一時保護する動きを再確認した。
 訓練は、学校を無断欠席している男子小学生に虐待を受けている可能性があり、児童相談所職員が家庭を訪問しても調査を拒否されたと想定して実施。
 参加者は、強制的に室内に立ち入ることのできる臨検・捜索許可状を提示して屋内に入り、保護者役を粘り強く説得しながら子どもに見立てた人形を見つけて一時保護した。警察官が暴れる保護者役を取り押さえる場面や、許可状のない状態で室内から子どもの泣き声が聞こえたとして警察官職務執行法に基づいて部屋に立ち入る訓練もあった。
 県警少年課の長野明宏課長補佐は「児童相談所と県警のそれぞれの強みを生かして連携してほしい」と講評。参加した南予子ども・女性支援センターの西山敬之指導係長は「法律の説明を交えた説得が難しかった。子どもの保護後も保護者との関係は続くので、立ち入りの適切な対応を考えたい」と話した。
 県警少年課によると、今年上半期(1~6月)、児童虐待の疑いがあるとして169人(前年比6人減)を児童相談所に通告した。