戦争の世紀を駆け抜けた報道写真家ロバート・キャパ(1913~54年)の生涯をたどる「東京富士美術館所蔵写真展 ロバート・キャパと過ごす時間/光の風景へ」の開展式が24日、愛媛県松山市堀之内の県美術館であった。一般公開は25日から12月1日まで。
 ハンガリーに生まれたキャパは、19歳で向かったパリで写真家として独立。スペイン市民戦争や第2次世界大戦などを取材し、歴史に残る作品を数多く生んだ。
 同展では、キャパの作品を中心に、写真家の権利保護を目指す集団「マグナム・フォト」をともに立ち上げたアンリ・カルティエ=ブレッソンら交流のあった写真家の作品などを含む約140点を展示している。式の後、特別鑑賞会があった。
 会場には、戦場で暮らす民衆や子どもたち、兵士の姿など、戦渦に生き抜く現実や痛み、苦しみを写し取った作品が並ぶ。ピカソやヘミングウェイら親交のあった著名人をとらえたポートレートなどもあり、目の前の人々と向き合うキャパのまなざしや思いを感じ取ることができる。