東日本大震災のがれきに咲いたナデシコを全国に広める活動を続ける宮城県南三陸町のピアノ講師、遠藤水華里さんが17日、愛媛県四国中央市新宮町新宮の新宮小中学校を訪れた。株分けされたナデシコを育てる児童生徒36人に感謝の言葉を述べ「皆さんにとって当たり前と思えることが、被災地ではかなわない状況が続いている」と話した。
 ナデシコは、震災の津波で行方不明になった遠藤さんの教え子の「形見」。同校は昨年、新居浜市大生院の主婦鈴木さゆみさん(67)から譲り受け、児童生徒らが学校の花壇で育てている。
 ナデシコのピンク色の花は4月下旬から開花。遠藤さんは花を見て「皆さんが優しい気持ちで大切に育ててくれている。『私たちは忘れられていない』と、うれしくも悲しい涙が出た」と明かした。