地域家族で不安解消 独居高齢者ら集い交流
住み慣れた町で、一緒に元気になろう―。愛媛県新居浜市上部地区の高齢者たちが、上原自治会館(同市上原1丁目)を集いの場として楽しく交流している。NPO法人ひらめき(小西孝典理事長)が会費制で開く食事会や体操教室に地域住民が寄り合う。
毎週金曜日のお昼の食事会は、参加費500円。独居の高齢者らに、3年前まで近くで10年間飲食店を経営していた男性(68)がボランティアで腕を振るう。献立は和洋中さまざまで、この日は大きなハンバーグをメインにした。男性は「みんなが喜んでくれてうれしい。お金で買えん幸せがあるし、できる限り続けたい」という。
利用者は、食事を頬張りながら病院や庭仕事、最近造ったみそについてなど世間話に花を咲かせる。
ひらめきの活動は昨年7月に始まり、今年8月の延べ利用者は100人を超えた。小西理事長は「口コミで広がっている」と手応えを感じている。
小西理事長の妻(49)が、介護の仕事に関わった経験から、自身の住む地域で活動を立ち上げた。「最期まで家で過ごしたいと思う人にとって頼れる場所が必要。高齢者が元気な間に関わることができたら」と感じたからだという。
同じ地域に住むスタッフと一緒に世話役として奮闘しながら、常連の利用者が欠席すると体調を確認したり、困っていることがあれば自宅に駆け付けたりして寄り添う関係を築く。