絵手紙の創始者とされる愛媛県松山市出身の小池邦夫さん(73)が19日、自身の作品ギャラリーがある松山市道後湯之町の旅館ふなやで講演し、来年の絵手紙55周年を前に創作の原点や思いを語った。
 講演には全国の絵手紙講師ら約150人が参加。小池さんは「みんなに元気を与えたい」という創作の原点は、分け隔てなく人々を温め、癒やす道後温泉にあったと回想。若いころ親友に宛てた絵手紙を披露し「自分を表現する唯一の方法だった」と語った。
 かつて芸術家や文化人たちが手紙を通して互いを刺激し合ったエピソードなどを紹介。絵手紙が世代や国境を超えた交流を育んだ経験に触れ「心を乗せる絵手紙は人がいる限りなくならない。若い人や考えの違う人とつながり、学び合って」と力を込めた。