8日から始まる西条まつりでだんじりなどを美しく照らし出すちょうちん作りが追い込みの時期を迎えている。千個近くのちょうちんを仕上げる岡本ちょうちん店(愛媛県西条市氷見)では、3代目の岡本哲典さん(56)や母ムネ子さん(78)らが黙々と製作に励んでいる。
 作業は紙を巻いたワイヤで作った骨組みに和紙を貼り、ツルの絵や自治会の名前などをかく。えごま油を塗って乾かし、仕上げは哲典さんが手に持つ部分を取り付ける。
 哲典さんは昨年9月に83歳で亡くなった父安一さんの後を継いだ。ムネ子さんは「子どもが頑張るけん私も辞められん。お父さんが言ってたこの仕事の喜びを後世に伝えないかん」と笑顔を見せる。
 今年は夏ごろから忙しさが増し、9月は雨が多かったためちょうちんをなかなか乾かせず苦戦したという。10月1日も親族ら5人が納期に間に合わせようと作業を進め、次々とちょうちんが積み重なっていった。哲典さんは「材料集めなど下準備は難しかったけど、いいちょうちんができた」と話していた。