石鎚山 救助技術向上へGPS通報など確認 県警が訓練
秋の行楽シーズン本格化を前に、愛媛県警山岳警備救助隊は29日、石鎚山(1982メートル)で救助訓練を始めた。山頂などで30日まで、10月から運用を始める位置情報付きのメール通報システムの最終確認などを行う。
県警機動隊と四国中央、西条、久万高原の3署の隊員計24人が参加。久万高原町土小屋であった訓練開始式で、県警の大野裕地域次長が「あいにくの天候だが、実際には悪天候の中での出動もある。安全を確保した上で、メールの通報システムや、インターネットでの登山届受理システムなど最新の手法があることを理解し、集中して訓練に臨んでほしい」と訓示。隊員は真剣な表情で入山した。
県警によると、メール通報は県警ホームページから利用できる。衛星利用測位システム(GPS)機能があるスマートフォンを使って通報すると、経度と緯度を記したメールが県警に届く。これまでにも110番の発信位置を確認することはできたが、GPSとの併用で精度の向上が期待できるという。
訓練では、山中から隊員が実際にメールで通報。送信された情報を基にヘリコプターで発信者を捜索する。救助技術の練習なども行う。大野次長は「最新の技術を活用しながら、効率的かつ安全に救助を行いたい。山を訪れる際は、登山届を出すなどの事前準備をしっかりした上で楽しんでほしい」と話した。