済美高校(愛媛県松山市)美術科生徒の作品を集めた「済美展2016」が、松山市堀之内の県美術館で開かれている。日本画、洋画、デザインの各専攻で表現活動に挑む高校生の努力の結晶が会場を彩っている。9日まで。
 1959年から続く同校の伝統行事。3年生にとっては卒業制作展、1、2年生には日ごろの学習成果を披露する場になっている。生徒120人が約200点を出品した。
 中でも高校生活の集大成として臨んだ3年生の展示には力作がずらり。母親の胎内で眠る2人の女性を描いた女子生徒(18)は「モデルは双子である私自身。自分の表現したい色や感情を出し切ることができた」と笑顔。日本刀を構え前を見つめる自身をデザインした女子生徒(17)は「未来への不安や自分の未熟さを断ち切る決意を表した。みんなの思いが詰まった展覧会を多くの人に見てほしい」と語った。
 見学会などで同校を訪れた2000人の中学生との共同制作「出会い」と、生徒有志がドローイングとペインティングで描いた幅10メートルに及ぶ大作「済美の四季」もある。