戦争と平和について考えるセミナーが8日、愛媛県松山市藤原町の聖カタリナ学園高校であり、紛争国の武装解除に従事した経験がある東京外国語大教授の伊勢崎賢治さん(59)が「戦争と平和は同義語。平和が1日で戦争になることもある」と高校生に語り掛けた。
 伊勢崎さんは、アフリカのルワンダで多数派民族が100日間で少数派を100万人虐殺したとされる事件を挙げ「皆さんと同じ一般人が一般の人を殺した」と指摘。「暴力を正義化した民衆による虐殺は、大量破壊兵器よりも恐ろしい。兵器や軍隊がなければ戦争がなくなるわけではない」と話した。
 内戦で50万人が犠牲になったといわれ、国連平和維持活動(PKO)の幹部として武装解除を主導したアフリカのシエラレオネについて「一番の被害者は子ども。反政府ゲリラに手足を切断され、兵士となって残酷な殺し方を覚えた子もいた」と振り返った。