東京都大田区の大田市場で7日朝、JA西宇和(愛媛県八幡浜市)産の早生(わせ)の温州ミカンの初せりがあり、えひめ愛フード推進機構会長の中村時広知事が味の良さをアピールした。
 機構は首都圏での温州ミカンの販売促進を図ろうと、2005年度から県内最大産地の出荷に合わせて大田市場で知事によるトップセールスを行っている。今年はJAや行政関係者ら約50人が参加した。
 愛媛みかん大使の4人が市場関係者に試食を勧めて回り、買参人は「甘いね」などと言いながら産地ごとに食べ比べた。中村知事は「酸の抜けが良く、糖度も高い。自信を持って愛媛県産を届けに来た」と売り込んだ。
 続く初せりでは、特に高級品として知られる「日の丸」のきり箱(7.5キロ入り)に1箱10万円の高値が付いた。
 大田市場で買参人に青果物を販売している卸売会社「東京青果」の関係者は「愛媛はかんきつ産地の中で最もブランド力が強いだけに、他産地より品質に厳しい目が注がれている」と話していた。
 全農えひめによると、16年の温州ミカン県内生産予想量(10月1日時点)は約12万9200トンで、うちJA西宇和産が半分強を占める。今年は裏年だが開花期の気温が平年より高めだったため着果量が多く、生産量は前年を7%上回る見通し。糖度は平年並みで外観・着色とも良く、酸切れが良く食べやすい味に仕上がっている。