愛媛県大洲市沖合の伊予灘に浮かぶ人口十数人の青島でこのほど、県無形民俗文化財「青島の盆踊り」が開かれた。担い手不足の中、今年も対岸の長浜地区住民12人が助っ人として来島。帰省客も加わり島の営みを盛り上げた。
 盆踊りは、その年に亡くなった人の霊を慰める「亡者踊り」と魚の供養をする「大漁踊り」の二つ。青島は兵庫県赤穂市から一族が移住してきた経緯があり、亡者踊りは赤穂四十七士の装束で舞う。 
 哀愁を帯びた口説きに合わせて長浜住民がゆったりと亡者踊りを始めると、帰省客が加わり太鼓台周りは島の人口の約2倍というにぎわいになった。
 長浜側から参加した地域おこし協力隊員(35)が「島の人は踊りが体に染みつき滑らかだ」と感心すれば、広島から帰省した島民は「何とか絶やさぬよう今後も踊っていただければ」と長浜住民に感謝していた。